材料 1:コンクリート
材料についての1回目は「コンクリート」です。 細かいことから述べて行くとコンクリート工学などという分野もあるほど奥が深く、私ごときが専門的な部分について詳細に書くこともできないので、私が建築に関してコンクリートを使った経験や主観を述べていきたいと思います。
コンクリートの歴史は古く古代ローマ時代にさかのぼりますが、一般的に社会に出回ったのはほんの百数十年ほど前からです。飛躍的に普及した背景には、鉄筋の存在が大きいといわれています。コンクリートと鉄筋は線膨脹係数が同じなので鉄筋を補強材として使う鉄筋コンクリートは名実ともに近現代建築材料の雄として君臨し続けています。
いわゆる食器などに使われる焼物などと違い、水和による化学反応により固まるので強固で劣化に強いのですが、建築で使う際は水、セメント以外に骨材や流動化などを促進する物を入れたりして材料の設定や監理が非常に難しいです。 そのため、そのあたりのことにうるさい建築家が設計する建物はとても面倒なので工務店も敬遠しがち。(一方で全く材料に関して頓着しない設計者もいるらしい・・・)特に打ち放しコンクリートと呼ばれる建物の場合、コンクリートの仕上がりの良し悪しがそのままその建築の良し悪しを左右するのでそんな現場はとても殺気だっているようです。しかし、そういったコンクリートは見た目も良いですが、耐久性にも優れています。またコンクリートはひび割れるので屋根に使う場合はシート防水などを通常施しますがそういった建物は防水性も逸品です。建築基準法でもコンクリートは「耐水材料」の1つとして挙げられているとおり、きちんとした施工をすれば防水シートなどの2次的防水を施さなくてもよい材料なのですが昨今は手間やリスクを避けるためコンクリートそのもので防水をとる建物は限られた建物でしか見ることができません。
それから、打ち放しコンクリートですが、これも気をつけなければいけません。びっくりするかもしれませんが、実は室内で打ち放しを使うほうが中性化を促進させる速度が速い、という報告もあります。これは人体から放出される炭酸ガスによるよるものです。私が設計した建物でも打ち放しコンクリートを室内に使っていますが、設計の際にはいろんな検討をし、中性化防止剤などの塗布剤もきちんと使用して施工に臨んでいます。
造ることが単純そうに見え、曲面やいろんな形を実現できる万能材料のように見られがちですが、先にも述べたように材料設定や監理、使用場所が難しいのでなかなか大胆な使用はできないでいますが、一度はダイナミックな使い方をした建物を設計したいと思っています。
施工に関しては今後監理の場面でその都度取り上げていきたいと思います。
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